釣りの必需品の中で一番身近なツールとしてナイフをあげる人は意外と多い。
用途も多く、性能が高ければそれだけ活躍するシーンは多くなるからこだわりを持って使用している人は多いし、そういう人を目にすることはわたしとしても喜ばしいことである。
その人の用途によって様々な形状のナイフが使用され、ブレードやハンドルの材質一つとっても被ることが無く個性が強く出るツールであることは釣りの現場に行って目を凝らしているとよく分かる。
ナイフファクトリーも国産を含め無数に存在するから、ブレードだけ眺めてもどのファクトリーナイフを使用しているかなんて瞬時に判断するのは至難の業なんだけど、遠目からでも一瞬で判断できるナイフファクトリーってあるのね。
そう、その一つがSpyderco/スパイダルコ。
米国の大手ナイフメーカーだからナイフをあまり知らない人でも名前くらいは聞いたことがあるだろうってくらいのメーカー。
ブレードに空いた丸い穴(サムホール)でパテントをとっているメーカーだから、遠目からブレードに丸い穴が空いてればすぐにスパイダルコのナイフだってことが判別できる。
わたしも随分前から釣りでスパイダルコのナイフを愛用しているんだけど、基本的な性能の高さと使いやすさは折り紙付きで色々なモデルを手にしても失敗することがない。
自分の用途にもあっているから非常に使用するシーンが多いんだけど、用途や好みって結構人によって違うものだからどうかなとは思うんだけどね。
個人的に釣りの用途として条件をあげてみると
~自重/ハンドル~
軽量であれば軽量であるほどいいが、ハンドル材質の強度を考慮するとチタンハンドルがベスト。
G10ハンドルは軽量で強度もあるが見た目がプラスティックっぽくて好きではない。
チタンハンドルで愛用しているLiong Mah SDC チタンハンドル
FOX Knives FX-302 チタンハンドル
Benchmade 635 Skirmish mini チタンハンドル
~オープン/クローズ~
基本的にシースではなく、持ち運びに便利なフォールディングタイプを使用するのでオープン/クローズ方式は重要度の高いポイントといえる。
ロックは片手で操作がしやすく、開閉も片手でできるロック方式が望ましい。
ロックバック式はクローズの時に片手での操作が難しいため、フレームロックやライナーロック式のものを使用している。
オープンは指を引っ掛けるタイプのサムスタッドやサムホールも良いが、フリッパータイプが確実で操作性が容易。
~ブレード~
研ぐのでそこまでこだわりは無いが、錆に強く、刃持ちの持続性のある粉末鋼(S30V/S35VN/S60V)が良い。
研いで一番刃付けしやすいのはVG-10。
~デザイン~
いくら材質や用途が条件に揃っていてもデザインが気に入らなければ、自分のパートナーとはなりえない。
そういう面では選択肢の中でも重要度の高いポイントと言っていい。
デザイン重視で使用しているナイフも多い。
こうして見ると、Liong Mah SDCは高い次元で自分の用途を満たしている気がする。
チタンハンドル、フリッパー、S35VN、フレームロックと言うことなし。
ナイフらしいデザインで無駄が無くデザインも素晴らしい。
この手のチタンフリッパーはZTやカイザーとの競合が激しいが、やはりデザインの好みが大きいのかな・・・
Liong Mahと全く似たタイプに
Kizer Alter Ego
こちらもチタンハンドル、フリッパー、S35VN、フレームロックである。
いずれも釣りの用途としては文句の付けどころがない。
スパイダルコで釣り用にしているのは Peter Herbstの限定モデルで、ハーフセレーション(半波刃)のオールドモデル。
この頃のモデルのブレードはほとんど日本の関市に生産を委託しており、ブレードにもSEKI-CITY JAPANの刻印が見られる。
ちなみに鋼材はVG-10である。
サムホールは瞬時のオープン/クローズには向かないが、操作の確実性が高く安心感がある。
またハーフセレーションのは本来の用途とは異なるが、釣りにおいて魚が固定できない場所だったり、片手で魚を持ちながら捌くときには非常にメリットがある。
セレーションで硬い皮や骨を瞬時に裁断できるので不用意に刃を傷つけることも無く、力を入れる必要がないので負担を軽減でき、安全性も確保できる。
基本的にスパイダルコのハーフセレーションモデルは魚を手早く捌くのに使用している。
そんななかスパイダルコでわたしの用途と必要条件に非常に適するモデルを久しぶり手に入れたので紹介したい。
Spyderco Magnitude
Blade 88mm
Open 210mm
Weight 148g
チタンフレーム/カーボンハンドル、フリッパー/サムホール、S30V、ライナーロックとこれ以上ないほどにわたしの用途に適している。
上位モデルらしくつくりに一切妥協は感じられない。
似たモデルにルビコンというモデルもあったが、ナイフのデザインの美しさからこちらを選んだ。
サムホールに加えてフリッパーでオープンできる操作性の高さと、軸にボールベアリングを搭載したことで快適さを確保している。
大きめのチタンポケットクリップがある。
タンカラーのG10バックスペースが入る。
チタンフレームとカーボンハンドルの境目が綺麗に処理されており、切削精度の高さが垣間見れる。
オーソドックスなライナーロックタイプでクローズの際に指をかけやすく処理されているがパターンが美しく独特だ。
軸にボールベアリングを搭載しているため、ブレードの歪みやフレームの歪みの精度は非常に高く、仕舞いの際にブレードはしっかりとフレームのど真ん中に収まる。
ブレード厚があるがフレームとの接触は無い。
180mmのPeter Herbstと比べると一回り大きく感じる。
粉末鋼なので光の反射が少なく、艶消し処理されたようなブレード表面。
Magnitudeはほぼ8割くらいはデザインから気に入って、後から仕様を見て決定打となったナイフだけど、これから主力として活躍できる要素を多く含んだナイフと言っていいだろう。
チタンフレームとカーボンハンドルも相まって見た目の大きさ以上に軽量で、その他のアウトドアユースでも非常におススメできるナイフであります。
もしスパイダルコで悩みの方がいたら是非選択肢に入れて欲しい逸品。
まぁ、まだスーパーで買ってきた魚しか捌いてないからあれだけど・・・
とりあえずこいつににあう魚釣らねば・・・・
コメント