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執筆者の写真籠師会

伊豆大島・オオツクロの磯で両軸遠投カゴ釣り。単独釣行後編。




岡田港での釣りを終えた翌日、岡田は昨日の風が更に勢いを増し、カゴ釣りには厳しい状況となっていた。


6時過ぎ、八幡荘を出たわたしはまず風裏となる波浮港へと向かった。


途中もしもと思い、元町港も寄ってみたのだが岡田と同じような状態でどうにも竿を出すような気配ではなかった。


波浮へ行けば安心だろうと安易な公算を持っていたのだが、まんまと裏切られる羽目になってしまった。


これまた波浮も風が強く竿が出せる状態ではなかったのだ。


島を半周分無駄足を踏んでしまった・・・


さてどうしようかと思考停止気味だったのだが、とりあえず島を一周して風の無い場所を探さねばと、いそいそと波浮港を出発した。


伊豆大島は大抵風裏に行けばどこかで竿を出せることが多いのだが、こうも風向きが複雑な場合だとお手上げ状態である。


筆島はカキハラもダメ、堤防は全滅ときたらもう泉津港か泉津の地磯か・・・


泉津の磯は高低差があって、旧坂を降りていく磯が多く、風があっても比較的穏やかな場所が多い。


岡田から波浮を経由し島を一周して泉津港へ向かうと、堤防の先端に数人の人が。


泉津港は先端部に人が入られてしまうと中々カゴ釣りは厳しい。


全ての選択肢を失い、半ば釣りをあきらめかけていたわたしは泉津に入りやすい磯があったことを思い出した。


オオツクロである。


大島の磯では5本の指に入る入りやすさだ。


入りやすさもさることながら、島の一級磯として釣れる魚も一級品ばかりである。


一周道路から脇道に入り、民家の狭い私道を抜けた林にひっそりと三台分ほど車を停めるスペースが設けられている。


車が停まっていなかったので恐らく釣り人は入っていないようだ。


背後の防風林のおかげで風はすっかりと気配を消してくれていた。


右手に泉津港を眺め、磯の入り口から真っすぐ入ったポイントで竿を出すことにした。





島を一周してしまったおかげですっかり太陽は昇りきってしまった。



使用タックル


ロッド:ダイワ 剛弓 カゴ 4-62 遠投B


リール:ABU Big Shooter WM60



オオツクロは磯の凹凸が激しくカゴ釣りで安定した座を確保するのがなかなか難しい。





15号のカゴを用いた中距離潮目直撃タックルで、ターゲットは青物、イサキ。


しばらくカゴ師は入っていないと思われ、数投だけコマセを空打ちして魚を寄せる。


そしてハリスを結び1投、距離はおおよそ80m付近。


潮は左から右へかなり早いペースで流れていた。


ウキが大分右へ流され、仕掛けを回収しようとした瞬間勢いよくウキが沈んだ。


1投目からウキが沈むのは大島ならではといえる。


それなりのおもみを携えて上がってきたのは狙いのイサキだった。


30cm手前だが、旬を過ぎて大分痩せていた。


オオツクロは磯の凹凸の激しさのおかげで天然のイケスがいたるところに形成されており、わざわざクーラーボックスを用いず天然イケスに放って生かしておいて型の良いものだけを後から選別できるのがいい。


天然のイケスにイサキを放り、次の仕掛けを投入。


ここから怒涛のイサキラッシュが始まる。


投げてはウキが沈み、イサキ、イサキ、イサキ・・・・


正にイサキ地獄と言おうか・・・贅沢な話だが。


直径2mあまりのイケスにはみるみるうちにイサキが増えていき、イサキ水族館が出来上がっていった。


時折、竿を大きくしならせる場面もあったがそれすらも大型のイサキであった。


もう釣果は望めないと竿をたたむころには20匹あまりのイサキがイケスの中をうごめきあい、場所を失ったイサキはバチャバチャと水面を飛び回っていた。


結果イサキしか釣れなかったのだが、この量なら言うことはあるまい。


小型のイサキはリリースし、型の良いイサキだけを選別し、その場で神経締め・血抜きをしてからクール宅急便配送用の発泡スチロールへ梱包作業へ。





わたしは伊豆大島釣行の際は、クーラーボックスで東京まで魚を持ち帰ることはしない。


岡田から元町へ行く一周道路の道中にヤマト運輸の営業所があって、そこからクール便で自宅まで送ってしまうからだ。


その場で締めた魚を鮮度を落とすことなく自宅まで運べるのでおススメだ。





最後に昨日保管しておいたマダイとシマアジを追加し、40cmの発泡スチロールにギシギシに詰めて発送完了。


ちなみにクール便で魚を送る際はしっかりとビニール袋に魚を包んで、周りに氷を詰め、水漏れ対策をしっかりしてから配送するようにしてください。


あとは冷凍ではなく、冷蔵指定で送ることが大事。


これにて今回の伊豆大島釣行は終了。





そして2日後、家に魚が到着した。


塩焼き用のイサキを残し、残りは全て刺身に。


イサキは痩せていて、内臓には餌のオキアミが多くみられた。


やはりあのイサキラッシュはイサキが相当腹を空かせていた結果だったのだろうか。





T字がイサキ、左がシマアジ、右がマダイ。


腹身は粗汁に使用した。


この上ない絶品で、舌がうなった。



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