我が家のレオパ(ヒョウモントカゲモドキ)の母であるハイポタンジェリンのメスが通算2回目の産卵シーズンを迎え、今季に入ってファーストクラッチを迎えた。
このメスからは前回のシーズンで無事複数のベビー達が誕生している。
産卵経験を持っているメスは手慣れたもので、間近になると気配ですぐにわかるので産卵床を入れてあげると翌日にはしっかりと産卵し終わっているという状態だ。
ペアリング後からしっかりとビタミンとタンパク質を取らせていたので、状態が良くブリブリとした張りのある卵を産んでくれた。
モルフはハイポタンジェリン同士の掛け合わせである。
強力なライトでキャンドリングすると、しっかりと赤い輪になった胚の形成が見られる。
卵の上下が逆になってしまうと卵の発生が止まってしまうなんていうが、それは胚が形成されてからのはなしで、基本的に上になっている部分から胚が形成されていくのでキャンドリングで胚が確認できるようになってからそれを上にしておけば発生が止まるようなことはない。
卵に上下の区別ができるようにマジックで印なんて書く人もいるようだがそんな必要は全くなく、むしろマジックのインクの成分が卵に与える悪影響の方がよっぽど心配である。
個人的にレオパの孵化に使用する床材は水苔が最適だと思っているのだが、あくまでも個人的観測に過ぎないので参考にできるかどうかは不明である。
ハッチライトや市販の孵化器なども使用したことがあるが、いずれも失敗に終わっていることを考えるとより自然界に即した環境を与えてやったほうが孵化率は高まるのではないかと思っている。
小型のプラケースに水分を多く含ませた天ぷら用のキッチンペーパーを引き、その上に厚さ7cm程度水苔(水を吸わせて搾る程度)を敷き詰めるだけで良い。
キッチンペーパーを水浸しにして引くのが肝で、水分が一気に蒸発することを防ぐことと、温度を“極端に”変化させなくする効果が望める。
もしキッチンペーパーが無いと、水苔がすぐに乾燥してしまったり直に温度が卵に影響するため管理が難しくなってしまう。
ちくいち湿度や温度を詳細に管理できるのであればそれでいいが、あまり現実的とは言えない。
あとはプラケースの蓋をして、ピタリ適温のパネルシーターに7割ほど底部が干渉するようにして置いておけば自然にハッチしていることが多い。
プラケースの側面や蓋に蒸発した水分がつき曇っているので、水分量が多すぎだと思われるかもしれないがこれで丁度いい。
まぁ人によってやり方は様々で、パネルヒーター直置きはありえないとか、水苔は水分量が多すぎるとか、保温室をつくらなければ孵化しないとか、色々議論はあるが経験上これで問題なく孵化しているのだからなにも問題は無い。
むしろハッチライトは水分量が少なすぎるし、保温室は一定の温度を保ってしまうため温度変化が無さ過ぎて自然環境下ではありえない環境を作り出してしまう。
恐らくブリードに失敗している人は卵を一定の温度で保温しなければいけないということに神経を使い過ぎて、自然環境下における孵化率こそが一番高いということを忘れてしまっている。
インドのとある大学の研究結果では、ヒョウモントカゲモドキの卵はある程度の温度変化を持たせた方が孵化率が高まるという結果もあって、飼育下においては昼夜における温度変化をそのまま与えてやった方が孵化率は高まるものと思っている。
だから保温室など設けずにある程度保温効果がある場所に置いておけば、外気温にさらすことで温度変化を与えてやったほうが孵化率は高まる。
ちなみに温度変化を計測すると、低い時は26℃、高い時は31℃とおおよそ5℃の範囲内で温度変化を持たせていることになる。
部屋の温度等は特に設定はしていない。
以下は前回のハッチの様子である。
前回のクラッチも同様の環境で、パネルヒーター直置きで問題なくハッチしている。
ベビーは孵化してから1日この環境で放っておいてから、別のプラケースに移動する。
ベビーの餌付けについてはそこまでシビアに考える必要はなく、本能的に餌を認知するまで気長に待っていれば自然とコオロギのSSサイズに食いつくようになる。
前回はハッチまでに1.5か月という長い期間を要したが、今回はどれほどの期間でハッチするか楽しみだ。
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