バイク、特にスーパースポーツ等の前傾を強いられるバイクは積載性の無さからどうしてもバックパックを使用せざる得ないシーンが多い。
一般的なバックパックを候補にあげてしまうと重量、風の抵抗、メットの干渉、デザイン的な問題もあってなかなか購入に踏み切れるものが少ない。
実際に一般的なバックパックで走ってみても上記の問題点のおかげで快適なライディングとは程遠い結果になるのは経験済みなのである。
DAINESE(世界で初めてモーターサイクル用プロテクターを開発したメーカー)がOGIO(アメリカのバッグ製造メーカー、現在はキャロウェイ傘下)とコラボして発表したバイク用のバックパックを見た時、斬新なデザインに驚いたと共に求めていたものが出たなという印象だった。
DAINESE×OGIO D-MACH BACKPACK ¥31100
亀の甲羅のような背中にまとわりつくようなデザインと風の抵抗を抑えたハードシェル成型のバックパックだ。
超軽量設計に加えメットから流れるようにウェストにかけて幅を持たせたデザインでメットとの干渉も無く、下部もカーブを持たせることでタンデムシートとの干渉を無くしている。
写真のバイクはDucatiのディアベルのようだが、前傾の強いSS(スーパースポーツ)でこそ生きるデザインのような気がしてならない。
横から見るとこんな感じ。
う~んなぜネイキッドバイクを採用するのだろう・・・
発表からしばらくして、OGIOからオリジナル商品として発表されたMACHシリーズは3種類のラインナップが発表された。
NO DRAG STEALTH MACH1 MACH3 MACH5 というラインナップ。
MACH1をエントリークラスとして素材と機能性に違いを持たせたモデルラインナップだ。
MACH3とMACH5は機能は変わらず素材と若干のサイズ変更が加えられている。
わたしが購入したのは色に落ち着きがあり機能も十分に備えたMACH3だった。
MACH5のカーボンルックな素材基調も悪くはなかったが存在感があり過ぎてしまってSTEALTH/ステルスというモデル名に似合わなかったからである。
ハードシェルによる積載の限界はあるものの快適性はピカイチでメットやタンデムシートとの干渉が無く、走行時のバタつきも無く装着感を忘れるほどの快適さだった。
さてそんな折にバイク用品をAMAZONで漁っていたある日、わたしはこのMACHシリーズがとんでもない激安で売られていることを知ることとなった。
MACH3自体は2~3万円の間をウロウロする価格帯だが、わたしがみたのは4800円というものだった。
しかもカーボンルックのMACH5・・・・
しかしよく見るとハードシェル カメバックという名で売られているではないか・・・
しかもメーカーはMOTOCENTRICという全く聞きなれないメーカーだ。
恐らく中国製のパクリメーカーだろう。
左が激安で右が本家OGIO。
明らかに型をマネた偽物である。
ま、ものはためしということで買っちゃったんですがね。
デザインの真似ならまだしもロゴまでDAINESEに寄せちゃってるのはちょっとね・・・・
本家DAINESEのロゴ。
見比べるとロゴと文字体までもが似通っている。
比べて見てもデザインや形状はほとんど相違は見られなかった。
ただ意外にもこの中国製の偽物シェルのつくりはしっかりしているのである。
縫い合わせやほつれも無く本家と遜色ないつくりである。
本家は重ね部分があるが偽物はしっかりと一本縫いしてある・・・
しかし全体的な素材やパーツは明らかに本家のほうが上であることは言うまでもないのだが。
ただ1/5の価格にしてこのクオリティを持ってこれるのであればデザイン重視の人であればわざわざ本家を購入する意味が無くなってしまうのではないかと“一瞬”思ってしまう出来である。
なぜ一瞬なのかと言われれば、それは使ってみないことには分からない。
偽物を3日ほど使用して分かったことは“つくりが酷く甘い”こと。
走行中にバックパックが飛んでいかなくてよかったと思った。
えぇえぇ、このショルダークッションとベルトの部分がもげましてね。
片方だけ背負ってる感じで走行中にバックパックがバタつくというとんでもない事態に。
右側は完全にもげて、左側は皮一枚でつながってる、そんな状態だった。
もし両方同じタイミングでもげていたらバックパックはヒラヒラと宙をまって後続の車にあたっていたことだろう。
たった3日使用しただけでバックパックを固定すべき一番重要な部分がもげるとは夢にも思っていなかった・・・・
ま、その後自分で縫い直したら大丈夫だったんだけどね。
そりゃ本家はライディング中にバックパック本体が人間から離れて飛んでいくなんてことが無いようにしっかりとした素材と縫い合わせでつくられてるよね。
まぁ型を真似て素材を安くしてつくったパクリ商品だからパッと見た目では判別できないし、そもそも斬新なデザインでバイク乗ってる人でもほとんど知らない製品帯だからデザイン重視の人からしたら安いに越したことはないってのが本音だろうね。
実際ショルダーの固定部分を補強してやれば全然使えるし。
だからとにかくこの斬新なデザインをバイクで試したいんだって人は偽物の安いほうで十分事足りるんじゃないかな。
だって形状全く一緒だし、メーカーだって知らんでしょ・・・
ただ偽物のほう買う際は必ずショルダーとベルトのつなぎ目の部分を補強してくださいね。
走行中に飛んでいかないように。
結局どっち買うかは本人次第だけどさ一番よくわかんないのって
“両方もってるやつだよね”
・・・・・。
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