ウエスタンアームズの初代M4ガスブロと言えば当時まだ強化樹脂フレームだったM4A1 CQB-Rを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。
発売されたのが2008年で、その後マイナーチェンジされたM4A1 RIS スーパーバージョンは強化樹脂フレームはそのままで、ボルトキャリアに若干の変更が加えられたハードキックモデルだった。
2010年当時の雑誌に掲載されていたウエスタンアームズM4。
その後国産M4のガスブロはタニオコバ、KSCと続き、KSCの初代M4が発売された2010年から大幅に時間が経た2015年にようやく東京マルイからガスブロ初代M4 MWSが発売された。
WA発売のすぐ後に発売されたタニオコバのM4A1カービン。
カナディアンタイプのマガジンとフルメタルレシーバーでウエスタンのM4よりさらに価格帯が上のモデルだった。
タニオコバのM4が発売された後にKSCから発売されたM4A1 ver1(これはCQBモデル)
フルメタルだったが刻印がプリントだった(KSCはレシーバーの質感がよかったので打刻カスタム)
マグナブローバック搭載でリアルな外観のM4とはいえウエスタンのM4は樹脂フレームという引け目を感じながらその後のタニオコバやKSCを見守る形となった。
またフルメタルだったKSCに比べウエスタンのM4はかなり値段の張る価格だったため、コストパフォーマンスの面では圧倒的にKSCのほうが上だった記憶がある。
KSCの場合刻印がプリントだったりとそれなりにコスト削減の面で苦肉の策を強いられた箇所もあったが、それでも純正メタルフレームというのは安心感が強かった。
当時ウエスタンのM4をフルメタルに換装しようとすると海外製のメタルレシーバーなどを組み込む必要があり、まだ互換性の多い台湾メーカーが芽を出していなかった当時はもう一丁本体が買えるような意気込みでカスタムしなくてはならずサードパーティ頼りだったのもうなずける。
しかし実際は樹脂素材とはいえそこまで剛性に不安の出る造りではなく、持った質感や剛性はメタルと遜色なかったのだが、リアル志向の強いウエスタンアームズがメタルレシーバーを採用しないというわけにはいかず、2012年に発売されたゴルゴ13モデルを筆頭に純正メタルレシーバー搭載の“カスタム”モデルが発売されるようになったのである。
ウエスタンアームズがフルメタルレシーバーを最初に搭載したゴルゴ13 M16スナイパーライフル。
このモデルの後“SOPMOD フルメタルカスタム”“M4A1フルメタルカスタム”や“アメリカンスナイパーVer フルメタルカスタム”等のいわゆるフルメタルカスタムシリーズが発売されるようになった。
ウエスタンが“フルメタルカスタム”表記にこだわるのはあくまでも樹脂モデルをフルメタルにファクトリーカスタムしたという事を強調するためで、内部構図的には初代ハードキックモデルと変わりはない。
樹脂タイプの初代モデルがある以上そのような表記にせざる得なかったのか、付加価値の部分で“カスタム”にこだわったのかはさだかではないがあくまでも“カスタム”なのである。
M4についての前置きが長くなってしまったが、今回ワタシがカスタムするのは前出のウエスタンアームズ フルメタルカスタムシリーズ M4A1 フルメタルカスタム CQB-R 2016モデル。
実はワタシあまりガスブロに関してはカスタムに抵抗があるほうで、純正のまま所有していたいという欲が強く、なかなかカスタムに踏み込めずにいたんだよね・・・
電動ガンは“使う”から傷とか保管に関して神経質にならないんだけど、ガスブロは“インテリア”だから傷つけたくないしメーカー純正のまま(光学機器付けるくらい)保管していたかったという理由なんだけど。
だからウエスタンじゃなくてKSCをカスタムすりゃいいんじゃないか、とか色々迷ったあげく、インテリアなんだからやはりリアル志向なウエスタンでいこうと。
カスタムベース色の強いM4ばかり多くなってしまったんだけど、右上の次世代マルイ以外は基本的に純正のまま傷一つ付いていないいわゆる極上品。
今回カスタムするウエスタンのM4も箱出し未使用の極上品を用いた。
交換するハンドガードはPTS ZEV WedgeLock M-Lokハンドガード 12in
六角を回すとくさび上(WedgeLok)に圧がかかり、バレルナットとハンドガードを強固に固定できる仕組みになっている。
補助と脱着防止用にハンドガード基部の両サイドからイモネジでも固定できるようになっている。
ガスブロックとガスチューブが付属するがこちらは12インチ以上のロングバレル向けなので今回は使用しない。
今回ウエスタンのCQBを選んだ理由の一つにバレル長が短く、バレル交換の必要が無いことがあげられる。
すでにカスタムしていた東京マルイの次世代電動ガン
ガイズリーのマウントベースにVector OpticsのForesterを取り付けている
これに近い形でカスタムする予定だったので、ハンドガード内にサプレッサーが入り込むようにするにはCQBに12インチのバレルを取り付けてサプレッサーで延長すればアウターバレルの交換や長さの調整はいらなくなるという寸法。
M4のハンドガード交換はまずフロントサイトポストからの取り外しとなる。
柔らかい素材や、ベットの上などに本体を置いて取り外すと本体に傷がつかない。
固定のために台の上に置いたり、硬いものを敷いて叩くとレシーバーの塗装などが擦れて傷がついてしまうのでワタシは絶対にやらない。
フロントサイト下部の赤マル部分のロックピンをピンポンチとハンマーで叩いて取り出すのだが、ロックピンの向きがあるので左サイドから叩かないとうまく抜けないので注意。
スリングスイベルとその上部のロックピンを抜く。
スリングスイベルを取り外すと取り付け基部にガタツキ防止用のイモネジがあるのでそれを緩める。
フロントサイトとガスチューブを接続しているロックピンがあるのでそれを抜く。
ハイダーを緩めて取り外す。
ウエスタンのハイダーはイモネジが無いのでそのまま緩めて外すことが出来る。
取り外したハイダーの方にスライドするとフロントサイトポストを取り外すことができる。
RISタイプのハンドガード底部を取り外す。
ハンドガード上部はガスチューブを圧着して固定している六角ネジがあるのでそれを緩めないとハンドガードが脱着できない。
ハンドガードとガスチューブを取り外す。
バレルナットを取り外すためのバレルナットレンチとハンマー。
ウエスタンのM4のハンドガードを交換する際の一番の難関であり鬼門となるのはバレルナットの取り外しだろう。
ウエスタンのバレルナットはネジロック剤が非常に固く塗られており、レンチで回そうと思っても到底外せるような固さではない。
万力や台などに固定すれば体重をかけて回すこともできるがレシーバーに負担がかかり、傷がつく恐れもあるのでおススメしない。
レンチをかませてから、緩める方向にレンチをハンマーで叩けばネジロック剤がはがれて回しやすくなる。
ネジロック剤の性質上ジワジワと力をかけるよりも一気に力をかけたほうが外しやすい。
コツは本体を股に挟んで固定し、レンチをかませたら狙いを定めてレンチの先をハンマーで思いっきり一発叩くこと。
カンカン叩いたくらいじゃ外せません。
バレルナットを外すとスペーサーが数枚出てきた。
純正箱出しでもスペーサー使ってるんだね。
ここにきてようやくインナーバレルとアウターバレルを外すことができる。
こちらはそのまま利用するので特に交換等はせずそのままの状態。
取り外したフロントのパーツ。
後はハンドガード付属のバレルナットとハンドガードを取り付けるだけ。
ウエスタンにZEV WedgeLokを取り付ける際にスペーサーは必要なく、ガタなくカッチリ取り付け可能でした。
レシーバーとの隙間もなくしっかりと固定。
12インチのハンドガードから2cmほどサプレッサーを出すようなイメージで全長11cmのサプレッサーを取り付けると丁度いい塩梅。
ただWedgeLokは細身ハンドガードのため、サプレッサーの直径は28mm前後で無いと内部に組み込めめないことが判明した。
使用したサプレッサーは直径27mmのもの。
PTS EPGグリップ
FORTIS LAストック
Novel Arms Sure Hit 1422IR CQB HIDE7
Novel Arms TACTICAL CQB MOUNT
Strike Industries M-Lok フォアグリップ
傷を一切付けずになんとかカスタムが完了。
ようやくイメージに近いM4が完成したのだが、Novel Armsのスコープの艶有りの色合いが若干浮いてるような気がする・・・・
Vector OpticsのForesterのほうが艶消しでしっくりきそうだな・・・・
理想のM4に近づくまでまだまだ時間がかかりそうだ。
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