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執筆者の写真籠師会

がまかつ がま磯 カゴスペシャルⅣ 35-58という竿。




両軸遠投師の間ではカゴスペ、カゴスペと色々な場所でささやかれている竿だからそれなりに知名度のある竿とはいえなかなかインプレを探すことが難しい竿なので紹介していきたい。


カゴスペというと初代からⅡ、Ⅲ、Ⅳとモデルチェンジされロングセラーを飛ばしている竿なわけですが、初代が発売されたのが2000年頃だったのでもうかれこれ20年近いロングヒットを飛ばしている竿ということになる。


中でもⅡ4-63 TYPE-BAITといえば遠投師達の間ではほぼプレミア化していて、それこそ超遠投向けの代名詞みたいな竿だったわけですが、もしⅡ4-63が新品で出てこようものなら当時の定価を大幅に上回る価格で取引されることは間違いない。


あくまでも“4-63”がプレミア化しているのであって、4-53、4-58あたりは特に相場に変動はない。


しかしそれだけ超遠投師の間では評価の高い竿だったという印象。





初代はまだキャスト性能云々なんてことより、兎に角パワーに的を絞った竿というイメージで、先径も2.8mmと極太だったし、とりあえずがまかつから両軸専用の強い竿が出たという印象が先行していた気がする。


それだけにⅡが出た時はよりシャープさが増したのに竿の強さはそのままだったわけだから、Ⅱが高評価を得たのは自然な流れだったと言える。


より軽量でよりシャープに振り切れるっていう進化の仕方はその後のモデルチェンジの仕様を見て見れば一目瞭然だろう。


シマノ竿だけはパワーに重点を置いていたのか、ブルズアイシリーズはどんどん先調子で扱いにくくなっていったけどね・・・


ブルズアイスペシャル4-620RPなんてほんとピンピンに張り過ぎて胴まで曲げようと思うとかなりのパワーを要するし、経年使用でヘタってきたくらいがちょうどいいくらいの味付けだった。





ブルスぺは競技用的な印象だったせいかシマノは下のグレードだった磯遠投EVのほうが格段に扱いやすくて高評価だった気がする。





調子も素直で、軽量な磯遠投EV 4-620RPはほんとに扱いやすくて良い竿だと思う。


現在では似たような調子のINGRAM BLACK EDITIONにその座を明け渡し気味なのだが・・・


18~20号なんて竿の負荷限界のカゴを力任せに投げればリールの性能無視したって両軸なら誰だって100m以上投げられるわけで、むしろ10~15号あたりのカゴをコンスタントに100m以上遠投できるようになるほうが技術が上がる。


ずいぶん遠くに飛んでいるウキの号数を見て見ると18とか20号がほとんどなんだけど、そんな中で12号とか15号のカゴを同じ飛距離飛ばしてる遠投師の人を見るとあぁすごいなぁと思う。


まぁだからⅡ4-63とかブルスぺとかは18号以下は受け付けてませんよって極端な調子の竿だからほんと超遠投向けってのはうなずけるんだけど、実釣で活躍するシーンがあるかって聞かれたら言葉に詰まるわけね。


だからダイワ剛弓を触った時おぉ!と感じたのは実釣での性能がずば抜けて優れていたから。





剛なんて付いているくらいのネーミングだから強い竿には変わりないんだけど、粘りというか腰というかですね、しっかり弓のように曲げて投げられて、空気を切り裂くくらいシャープに振り切れる竿の性能に驚いたわけですね。


先径1.9mmってのは思ってる以上にシャープで、2.7mmのブルスぺ振った後に振るとにやけ顔が止まらなくなるんじゃないのってくらい印象が違うんだけど、すごいのはそれでも飛距離が落ちないところ。




そんな折に、現行のカゴスペⅣから3.5号なんて見慣れない号数のラインナップが発売されたから食いつかざる得なかったんだよね・・・ようやく本題に入れる・・・


カゴスペはⅡから手を付けていなかったんだけど、Ⅳの3.5でスイッチがはいってしまったのはほんとがまかつにしてやられたりという感じがする。


がまかつもようやくそういうラインナップに気配りできるようになったかなんて偉そうに語るつもりはないけど、いやね、いいんですよこれが。





先径2.3mmていうのはINGRAM両軸4-585 2.2mmとほぼ一緒なんだけど、INGRAMに比べると明らかにBAT部が細いのね。


いやほんとカゴスペの元竿って細いのよね・・・


BAT部が細いのに先径が細かったら肉薄なの?と思いきや、INGRAMより号数が低いのに硬質感が凄い。





INGRAM BLACK EDITIONと比べると、元竿の固定ガイドから竿先までの仕舞いが全然違うのが分かる。


カゴスペの元上からの仕舞いって妙に長いのが気になっていたんだけど。


継ぎ数が違うからだろと思うことなかれ。





継数が同じ剛弓と比べてもこの差。


つまり竿全体を細身にして、振り抜きのシャープさを狙ったために元ガイド上からの仕舞いを長くとらざる得なかったのだろうか。


元竿が太ければ、もっと仕舞いも短かったのかもしれないが、竿先のパワーを失わずにシャープさを追求すると結局こうなるのか。


元竿を太くして、竿先を細くすることでシャープさを追求した剛弓と狙いは一緒なのに竿の特性が真逆という面白い違いがあるのは面白い。


ちなみにINGRAM BLACK EDITIONは先径2.7mmと太いのだが、調子を均一にすることで振り抜きをシャープにしている印象だけど、剛弓ほどシャープではない。


恐らく剛弓とカゴスペとINGRAM BLACK EDITIONを比べたら、竿の強さに差は無いんだけど、振り抜きに違和感が無いのはINGRAMの良さかな。


また、カゴスペを見ると一目瞭然なんだけど、リールシートからBAT部までの距離が短い。





試しにINGRAMとリールシートの位置を合わせて比較してみると。





竿の持ち手であるBAT部の距離がこんなに違う。


比較するとカゴスペは見るからに弱弱しい印象に見えてしまう・・・


これはINGRAMが長すぎるわけじゃなくて、明らかにカゴスペが短い。


こうなると、よりパワーを入れて投げなくてはいけなくなるのはカゴスペだったりするのね。


左手を支点にすると、右手で竿を持つ部分が長いほうがより力が入るし、同じ力でもより飛距離が出る。


まぁ実際はよほどの体格差でもない限りそこまで飛距離に差が出るってことは無いんだろうけど、振る時の感覚に違和感があるのは間違いない。


こうしてカゴスペⅣを眺めて見るとなかなかクセの強い竿だということがお分かりいただけるだろうか。


もし個人的におススメできる竿はどれかと聞かれたら、結構最初の方に選択肢から外れる竿なんだけど(値段的にも)、細身のくせに竿の強さがビシビシと伝わってくる硬質感と振り抜きのシャープさを求めるなら一見の価値ありかな。


これが4号になっちゃうと竿のパワーに重点が向いちゃって、バランスが悪くなっているように感じるのね。


だからカゴスペⅣなら3.5号をおススメ(飛距離的にも)したいんだけど、磯遠投EVとどっちがいいって言われたら磯遠投EV勧めちゃうかな・・・・・・・






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