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執筆者の写真籠師会

ABU 6500CS MAGを遠投カゴ釣り用にカスタム。




前回手に入れたABU 6500CS MAGを遠投カゴ釣り用にカスタムしてみようと思う。


カスタム内容は以下である。


なお、すでにハンドルはパワーハンドルに取り換え、スプールシャフトブッシュはベアリングを組み込んでいる。


今回のカスタム内容は


5.3:1→6.3:1にハイギア化。


ウォームシャフトのベアリング化。


コグホイールのベアリング化。


パーツはすでに手配していた。





左からコグホイール(2BB)、ウォームシャフト、ハイギアセットとなっている。


まずは左サイドカップから。





3点で止まっているネジを外してパーツを取り出すだけの単純作業だ。





コグホイールを2BB組み込みのものへ取り換える。


コグホイールにガタがあると遠投性能にひびくので、シムを噛ませてガタを抑えることが需要である。


ウォームシャフトは丸ごと取り換えるだけなので特に特筆すべき点は無い。


後はハイギアを組み込むために全バラ。







こちらも元のギアとハイギアを取り換えるだけである。


元通りに組みなおし、いざ回転性能を試そうとハンドルを回しクラッチを切ると、あまり変化がない・・・・


パーツのアタリが取れていないのあろうか・・・・


これはまいったと思っていたのだが、こいつがMAGモデルであることをすっかり忘れていた。


6500CS MAGはマグブレーキの設定を0にしていてもマグブレーキが働いているようで、少なからず回転性能は抑えられてしまう。


また、メカニカルブレーキを調整する際にスプールがセンターより左によるとブレーキが強くなり、右によるとブレーキが弱くなる。


まぁブレーキユニットとスプールの距離で強さを調整しているわけだから当たり前っちゃ当たり前なんだけど、毎回同じ設定に調整するのは至難の業だろうな。


とりあえずマグブレーキのユニットを取っ払って回転性能を見て見ると、ガンナーばりのレベルワインドの動きで軽く15往復してくれたのでよしとしよう。


ちなみにマグを入れると5往復くらいしかしない。




せっかくカスタムしたわけだし、MAGはこれまで使ったことが無かったので遠投性はどれほどのものなんだろうと試してみたくなった。


ということで、近所の多摩川へいざ試投げに向かった。





丸子から川崎の夜景が見える。


試投げに使う竿は剛弓4-62とイングラム4-550である。


ちなみに剛弓はメインのものではなく、スペア用に用意したものを使用した。





実釣と同じ状況下での性能を見たいので、重りだけを投げることはせずに、しっかりとカゴとウキを使用して試している。


またカゴは12号を使用。


まずはイングラムから。





画像は慣れてきたときのものでマグブレーキは0になっているが最初は2からスタートして徐々にブレーキを弱くしていっている。


ちなみに3以上にするとブレーキというよりは抵抗になってしまうので2あたりからはじめるのがちょうどよさそうだった。


また0と1のメモリ間に4クリック調整できるので、実質2メモリだと8段階の調整ができる。


2点式遠心ブレーキのブロックは二つとも取り外しているので、遠心ブレーキはかからない状態にしてある。


長い竿に慣れていたためか、軽くて振りぬきやすいイングラムは最初の一投はキャストタイミングをミスり道糸が大きく膨らんでバックラ寸前で危なかった。


その後軽く投げて鳴らしていくと、かなり飛距離が出るようになってきた。


マグブレーキは0にしてもバックラする気配は一切感じられず、やはり0でもそれなりにマグブレーキがはたらいているのだろう。


イングラムと相性がいいのか、初卸だったがバックラは一度も無かった。


川岸から投げた仕掛けが川を飛び越えて対岸の陸地に到達してしまった。





その時にいた場所をGoogleMapでポイントし、遠投距離を測ってみた。





マップでの計測はおおよそ110m~115mといったところ。


ハンドルの回転数で計測すると161回転で、6.3:1ハイギア化したのでハンドル一回転あたりの巻き取り量を76cmとすると161×0.76m=122.36mになった。


糸ふけを考慮するとGoogleMapと似たような距離に収束するのだろう。


カゴに餌を詰めて重量が増したらもう少し飛距離が伸びそうな気がするな。



次に剛弓を試した。


 



最初の一投目でイングラムより飛距離が稼げると思ったのだが、ほとんど変わらない結果だった。


軽くて短い竿から、長くて重い竿にすぐ持ち変えるとやはり振り抜きが遅く初速が落ちてしまう。


少しテンションをかけて竿に重みをのせるようにして投げるとたちまちイングラムの飛距離を凌駕してしまうから流石6.2mだ。





2本の竿を用いてABU 6500CS MAGの性能を試してみたが遠投性も申し分なく、ハイギア化したことで実に使いやすいモデルであることが分かった。


特筆すべき点は“バックラが無かった”という点だろう。


両軸遠投カゴ釣りにおいて、バックラせずにいかに仕掛けを遠くに飛ばせるかということは正にキモの部分であって、一番難しい部分でもあったりする。


ただこの6500CS MAGはそんな難問をいとも簡単にクリアしてしまった。


遠心ブレーキが無い分サミングの操作はシビアにする必要があるが、それを補うにはブレーキ設定0でも十分と言っていい。


個人的に6500CSを以前使用していた感覚からすると、遠心ブレーキ2個入れていると安心感はあっても飛距離が伸びない。


ただMAGの場合遠心ブレーキを2個入れてる安心感がありながら飛距離が出せる、そんな印象。


多分、ここはMAGをノーマルのまま使っていてもだめで、カスタムして初めて体感できるもんなんだと思う。


そう考えると今回のカスタムはMAGの性能を最大限引き出せていたんじゃないかと思う。





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