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遠投カゴ釣り 籠師会
Long Cast Basket Fishing
KAWASAKI
Ninja ZX-10R 2008年 E型
水冷4気筒4ストローク
188PS(ラムエア加圧時200PS)
全長:2110mm 全幅:710mm 全高:1135mm 軸距:1415mm
179kg
¥1300.000
歴代の10Rを眺めてみると実に興味深い。
先代のZX-9R(ユメータマ)から1000ccとして生まれ変わった初代10R C型は周りからのインプレを聞いて畏怖の念を抱いていたほどだったから、まさか自分が10Rを選ぶなんて夢にも思っていなかった。
C型はショップの人にも過激すぎておススメしないとか、初心者には売りませんなんて平気で言われていたバイクだったから、そんなに特性の激しいバイクなのかと選択肢に入れる気も無かった。
形はまぁまぁ好みだったのだが、どうにも手の付けようが無かった。
当時候補に挙がっていた1000ccのSSは07年式のYZF-R1か08年式のCBR1000RRだったのだが、近所で中々いいタマが見つからずGooBikeを毎日更新するという日々が続いていた。
そんな時友人が買い替えた07年式のZX-6Rを横目で見ていて、あぁNinjaも悪くないなぁなんて思い始めていたんだよね。
兄貴分の10R D型も同じセンターアップマフラーを採用して更に二本出しときたから、これはいいんじゃないかと思っていたんだけど、R1を上回るほどではなかったし、C型の評判のままだった10Rのイメージからか、まだ選択肢にあがるところまではiいかなかった。
D型はC型に比べてマイルドになって乗りやすいバイクになったとは聞いてはいたんだけどね。
07年式R1のこのカラーリング(ワインレッド)が欲しくて探していたら、ようやく所有しているショップを見つけだして、いざ下見に行こうじゃないかと意気揚々と出かけたわけなんですが・・・
そのショップが所有しているSSの在庫が異常に多くてですね、R1目当てで行ったものの目移りばかりしてしまうという事態に陥ってしまったんです。
しかも自分の気持ち見透かされてるんじゃないかの如く10RのD型とCBRが置いてあって、このショップは俺のために存在するんじゃないか、なんて勝手に思い込んでいたのが怖い。
実車見るとやっぱり印象は全然違って、もちろんR1もかっこいいなとは思ったんですが、10Rも悪くねぇなとなってしまうのが目に見えてしまっていた。
実際そうだったもんだから各メーカーのSSの間を行ったり来たりしてたら、見つけてしまった・・
そう、ZX-10R E型。
D型とは全く異なった角ばった近未来的なデザインで、シートからにグッとせり上がったリアにはマフラーは無く、尖ったLEDが聳えていた。
独特なマスクとサイドカウルの造形に魅了されてしまって、それまで候補にあがっていたR1やらCBRなんてもう頭からすっかり抜け落ちてしまった。
10Rに持っていた数々の偏見を捨てて、というよりもうインプレとか乗り味なんてどうでもいいやという気持ちで契約してしまったから、どんな素性を持ったバイクなのかって事は契約して家に帰ってから気づいたんだよね。
2008年のE型の10Rはカラーリングがブラック・キミドリ・オレンジ・ブルーというラインナップで、全て逆輸入だったのだが、ブルーのみが北米仕様で後は全てマレーシア仕様だった。
08年式10Rのマレーシア仕様は大分パワーが抑えられていて、180km/hリミッターに160PSと控えめな仕様で、EUCの書き換えと、リアシートの電気系をカットすればフルパワーになると言われていたのだが、生まれた時からの生粋のフルパワーはブルーの北米仕様のみだった。
だからこのブルーカラーだけ他のカラーリングと比べて値段が高めなのはそのせい。
YZF-R6からの乗り換えで、ろくにインプレとか評判とか気にせず買っちゃったもんだから、乗り出しの時はかなりビビッてたんだけど、以外にもあっさりと馴染んでしまったから面白い。
“基本的”にはすごーく乗りやすいのね。
R6から乗り換えたらそりゃなんだって乗りやすいでしょ!なんて突っ込まれるかもしれませんが、エンジンの味付けはこれホントにフルパワーなの?って疑問に思うくらいの味付けだった。
ただ足回りはそのままレース出れるんじゃないかってくらいガッチガチで、いやもうほんとカッチカチと言ったほうがいいかな・・・一般的な感覚でカーブ曲がろうとするとまず曲がれない。
だから乗ってると硬質感があって、やわな感じは全くしない。
切れ込みが激しくて、狭い路地の直角カーブなんかは大分車体を寝かせてハンドルで曲がっていくようにしないと曲がれない。
ここら辺の曲がる時の違和感はZX-6Rなんかでも見られた(友人の6Rに乗った印象)。
加速はスムーズで特にドン付き感も無くて、非常に良いフィーリングなんだけど、これはあくまでも電子制御されたアクセルの反応に過ぎない。
ひとたびググっとアクセルを俊敏に反応させてやると、瞬間移動かってくらい暴力的な加速をする。
それはそれは暴力的で、パワーバンドとかそういうもんじゃなくて、アクセルに反応した時から最高速に達するまでただただロケットのごとく速度を上げていく。
公道でコイツの加速に追いつける乗り物なんて存在しないんじゃないかと思うくらい。
細かいアクセルワークでここまで豹変するバイクも中々珍しいんじゃないかな。
R6も変わるっちゃ変わるんだけど、それは予想の範囲内に収まりきるものだから全く異質なものだと思うんだよね。
加速がいかにすさまじいかよく分かる動画を見つけたからのせておこう。
もちろん各社から発売されているリッターSSクラスは同じような加速するんだけどね。
日本車の車とバイクを比較した動画の中にZX-10R E型が混じっていた。
動画にも出てくるんだけど、D型とE型のメーターパネルって結構独特だと思う。
アナログ回転指示計の上に3Dのように浮かび上がってくるデジタル速度メーターが実に近未来的な雰囲気。
無駄がそぎ落とされていて、必要な情報が全て一目でパッと入ってくる良さがある。
現行のスマホみたいなパネルも悪くないんだけど、機能が充実してる分情報量が多すぎて無駄が多い気がしてならない。
SSなんだから、必要最低限の情報だけ瞬時に把握できるパネルが好ましいし、バイク乗ってる時なんてそんな細かい情報いらない。
だからこの10Rのメーターは何気に一番気に入ってるデザインだったりします。
当時は最先端だったんだろうけど、それにもまして現行のリッターSSクラスはほんとに技術を盛り込みすぎって感じがしてしまう。
本来人間が反応しなければならない部分を技術で補ってしまうから、乗り物は進化するのに乗り手である人間は全く進化いていかない。
各社04~08年式のSSってちょうどそういう進化の狭間に存在した生粋のレースマシンという感じがしていいんだよなぁ・・・
でもそんなこと言っといて次は現行のR1買うんだろうなぁ・・・かっこいいよなぁ・・・。
そんで見に行ったはいいけど、横に10R置いてあったらまた10R選ぶんじゃなかろうか。
10Rってそういうバイクだと思うんですが、どうでしょう。
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