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遠投カゴ釣り 籠師会
Long Cast Basket Fishing
KAWASAKI
Balius250
水冷4気筒4ストローク
45PS
全長:2005mm 全幅:730mm 全高:1055mm 軸距:1380mm
141kg
¥499.000
バリオス、バンディット、ホーネット、ジールというと国産4メーカーの代表的な250ネイキッドだったからよく比較されて話題になることが多かった。
ホンダはホーネットじゃなくてジェイドを挙げる人がいるかもしれない。
現在の250ラインナップからすると、4気筒の高回転、高出力の250は想像もできないほどパワーがあって速かった。
それぞれZXR、GSX、CBR、FZRを中低速向けにチューニングしたネイキッドバージョンだから遅いはずがないんだけどね。
昔の2st250レプリカなんて600のネイキッドをカモれる潜在能力があったんだから正に化け物と言っていい。
排ガス規制に伴って小排気量のパワーは年々縮小されていき、2stが姿を消したかと思えば4気筒が姿を消し、どのラインナップも平均的なパワーフィーリングに収束していってしまった。
パワーを求める人間は大型に流れてしまったから、メーカーが今更250に4気筒を採用することはないだろうし、排ガス、コストの面でも難しい。
今4気筒の250なんて出たら現行のCBR250RR並みの高級路線になっちゃうんだろうなぁ。
一昔前は数もあって中古市場でも一桁万円なんてのもざらにあったんだけど、今は状態の良いものは40万以上の値が付いているし、20万を下回る在庫はあまりなくなってしまった。
年々市場価格は増加傾向にあると言える。
ちなみにバリオスは1型とⅡ型があって、多少の変更点が加えられている。
45PSを出力していたのはⅠ型の最初期の型式A1とA2モデルのみで、A3からは40PSに落とされていた。
またバリオスⅡ型になってからは型式がB4となり、Ⅰ型のA3以降は全モデル40PSとなっていた。
Ⅰ型はモノサスペンションだったのだが、なぜかⅡ型になってツインサスペンションへと変更されてしまった。
バイクでは均一に荷重を分散させるモノサスのほうが高性能なのだが、バリオスはⅡ型に進化したというのにサスペンションがダウングレードしてしまった。
恐らく時代の流れというものか、スポーツネイキッドというよりは街乗りとしてネイキッドとしてのイメージを定着化させたいメーカーの狙いだったのだろう。
ツインサスでよりネイキッド感が増したⅡ型は市場価値が落ちず高値安定を維持している。
250は車検がないからここら辺の人気モデルはメーター巻き戻しなんて平気でおこなわれていて、正直この手の250は走行距離が状態の良し悪しの判断材料になると思ってはいけない。
だから250の4気筒の本当に状態の良いものを買おうとなると30万以上は見ておかないと後々苦労するんじゃないかと思う。
自分が手に入れたバリオスはひょんなきっかけで知り合いになった人物から安く仕入れたものだったのだが、状態はすこぶるよかった。
バリオスは小排気量で、当時のCBR250RRと並ぶ超高回転エンジン(レブは18000からで21000回転まで)だったから安いオイルを入れられてぶん回されている個体はエンジンケースからカラカラとか、チリチリという異音がしていた。
後にも先にもこんな超高回転バイクはバリオスとCBR250RRだけだった。
当時も若者が好むラインナップだったから、あまりお金をかけて乗られていた個体が少なく、どの個体も多かれ少なかれ異音がしていたんだけど自分が手に入れたものは異音がほとんどしなかった。
普通はそうあるべきだし、むしろ超高回転に耐えうる設計だったわけだから大事に乗っていればどのモデルより堅牢だったはずなんだけどね。
ただカワサキ特有のオイル漏れは本当に多かったし、細かい故障は結構多かった。
でも動かなくなるような致命的な故障は一度も無かったのは堅牢なエンジンのおかげだったのだろうか。
タンク下のエンジン回り、ラジエーターガード、ホイールなんかが鉄鉄しくて、ほんと走ってる時も鉄の塊が走ってるような印象だった。
マフラーは当時爆音の代名詞でもあったWRsマフラー。
バッフルを入れないと正に族車そのものの音だった。
超高回転エンジンを中低速寄りにチューニングしていたから、走りだしの回転数だと結構でかい音をならして走らなければならず、音のわりに全然スピードが出てないから、こいつパワー振り絞って走ってるんじゃないかと思われがちだった。
でもその先にまだ回転数があるとは思えない音だから、更に回して15000回転くらいまで引っ張るともはやF1並みのレーシーな音でバイクを知らない人は結構驚いたんじゃないかと思う。
絶対的な速度は大型には絶対敵わないから、大型からしてみれば軽トラが結構いい音鳴らして加速してるのと同じくらいの印象なんだろうね。
ただこの回転数を使い切ってる感じはたまらなく気持ちよくて、こればっかりは乗った人にしかわからないと思う。
12000回転超えたあたりから250とは思えない爆発的な加速するから怖い。
大型のようにアクセルワークで瞬発力があるような鋭い加速ではなくて、長ーいゴムで引っ張られているような伸びのある加速なんだけどゴムに引っ張られて初速が乗ってきて一番速度が出るあたりの回転域は本当に恐怖だったし、快感でもあった。
だからサーキットとか峠を攻めるような走り方だとずーっとパワーバンドを意識して走らなければならないうえに、エンジンブレーキが強くてギクシャクするから結構しんどかった。
外見もそうだけど本当にバイクらしいバイクという感じで、リピートして乗りたいという人が多い車種であるということもうなずける。
今ではめっきり見かけることが無くなってしまったバリオスのⅠ型。
たまに状態の良いバリオスが走っているのを見るとついつい応援したくなってしまう。
決して煽ってるわけじゃなくて、懐かしんで後ろ付けさせてもらってます。
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